高所得者向けに、都心部の投資用マンションを販売する大阪の不動産会社が海外の法人に架空の手数料などを支払ったと装って所得を隠し、脱税していた事件で、大阪地検特捜部は、当時、税理士としてこの会社に手口を指南したとして、新たに、61歳の会社員を脱税の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、元税理士で、シンガポールにある会社の会社員、石田秀明容疑者(61)です。
大阪地検特捜部によりますと、石田容疑者は、大阪・北区の不動産会社、「レオン都市開発」の元社長に、当時、税理士として脱税の手口を指南し、この会社がシンガポールなどの海外の法人に架空の手数料などを支払ったように装って所得を少なく見せかけ、平成28年までの3年間に、法人税など3200万円余りを脱税した疑いがもたれています。
この事件では、おととし、在宅で起訴された元社長ら3人の有罪判決が確定しているほか、特捜部は、去年12月、脱税の指南役としてシンガポールの別の会社の役員を逮捕・起訴しています。
特捜部は、石田元税理士が滞在していたシンガポールから、11日に帰国したところを逮捕したということです。
認否については、明らかにしていません。
特捜部は、大阪国税局とともに、石田元税理士らが中心となって、ほかにも複数の会社に対して、海外の法人を悪用する手口を指南していた疑いがあるとみて、詳しい実態を調べています。
【“巧妙に海外法人を利用”】
関係者によりますと、この会社は、シンガポールなど海外にある法人に、架空の手数料や研修費用を支払ったように装って、会社のカネを送り、裏金をつくっていたということです。
また、裏金の一部は、シンガポールの別の法人を通じて、海外の税率の低い国や地域、いわゆる「タックスヘイブン」といわれる国に元社長が設立した法人の口座に移されていたということです。
確定した有罪判決では、こうした手口について、「海外法人を利用するなどして発覚を相当に困難にしていて、巧妙で悪質だ」と指摘しています。
大阪国税局は、石田元税理士が国内数十社に脱税の手口を指南していたとみていて、脱税の手口が考案されたいきさつや元税理士がどのように関わったのかなどについて、大阪地検特捜部とともに解明を進めることにしています。

